サーモグラフィとは
サーモグラフィは、物体や環境の表面温度を可視化する技術です。赤外線カメラを使用し、物体が放射する赤外線を検出して温度を測定します。これにより、異常な温度分布やエネルギー損失を素早く識別することが可能です。建物や電気設備の点検や医療診断、火災の早期発見など、さまざまな分野で活用されています。
というわけで買っちゃったやつがこちら。約2万円ちょっと。計測機器?マニアとしてはこれはどうしても欲しかったんですよね。昔に比べて値下がり傾向もありましたし。
価格的にはセール時に約1.7万円くらい。通常で2~3万円くらい。
性能的には家庭用としては十分では無いでしょうか。
で、サーモグラフィ。熱源を可視化する道具ですので”いろんなこと”ができるようになるスペシャルアイテムなんです。映画で言えば「プレデター」みたいな。
最近だとフォートナイトのサーマルスコープライフルとかもありますよね。熱源を可視化出来るって本当に凄いことなんです。
使い所はたくさん
で、そんなスペシャルアイテムなサーモグラフィ。家庭内では使い所は物凄くたくさんあります。
機種によってはSDカードに画像記録が出来るタイプもあります。これは非常に便利です。
寒い場所、暑い場所を断熱
まさにタイムリーなんですが、例えば部屋がやたら寒いような場合ってありますよね。暖房が効きにくいとか。そういう時ってどこか冷たい風が吹き込んでいるとか、冷えている壁があることが多いんです。
(単純にエアコンのフィルターが詰まってる場合もあるんで要チェック)
で、これが我が家で最も寒い北側の和室。暗いのは照明落としてるからです。
可視光カメラの画像なんですが、このように最高温度20度に対して最低温度は12度と大きく差があります。
こちらがサーマルカメラの画像。断熱用のカーテンは温かいんですけれども、その上の壁がすごく冷えているのがわかりますよね。どうりで暖房の効きが悪いわけです。
あと部屋の隅。襖の隅っこ。めっちゃ冷えてました。
なんと10度以下!ここから冷気がどんどん滲み出るように流れ込んでいたんです。どうりで底冷えするわけです。スポンジシールなどで隙間を防ぐことでマシになるでしょうか。
このようにどこが冷えているのか可視化できるようになります。言い換えればそこを断熱することができれば暖房効率がアップ、省エネとなるわけですね。
と同時に古い我が家。あちこちでアカンところが見つかって結構凹んでいます。
宝くじ当たったらリフォームするんだ……
待機電力がわかる
気を取り直して省エネ=光熱費削減にもなりますもんね。ということで待機電力を食ってる家電も可視化出来ちゃいます。ただあくまで熱源となっているものだけなのであくまで目安です。
とはいえ、電力を食う=発熱するというのはほぼ間違いはないので一般的な家電であれば十分に指標となるんではないでしょうか。
というわけで発見したのがコイツ。ネスカフェのバリスタ。使っていない時でもwifi接続の待機電力を食ってるようで結構アツいです。ちなみに室温は11度前後。本体外装は16度。
この2時間ほど前にコーヒー抽出したとはいえ、それだけの「残り熱」だけではないとは思います。
ちなみにコーヒーメーカーとしてはものすごく便利なので必要時だけコンセントに刺すようにしました。
めっちゃ散らかってますがテレビの周囲。
遊ばないまま放置されていたwiiが熱もってました。つまりずっと待機電力を使っていたという事。もったいない……
こういった電気の無駄を発見できる点で凄く便利だとおもいます。
あと面白かったのが象印の保温ポット。
めっちゃ優秀です。蓋の部分からの熱の逃げは仕方ないとはいえ、魔法瓶の部分はほぼ断熱できています。おそらく蓋の部分からの熱伝導があるだけ。どうりでいつまでも熱いわけです。
不意にただよう焦げ臭さがわかるかも
これは皆さんも経験あるとは思うんですが、不意に焦げ臭い匂いを感じる時って有りませんか?
もちろんそのほとんどは心配ないもの、あるいは気の所為だったりするんでしょうけれども……もし発熱していたらと思うと気になるものです。
サーモグラフィがあれば発熱している部分はすぐに分かります。(物陰のコンセント等はのぞき込む必要あり)。あるいは過熱しているような箇所も。
写真は焦げ臭さを感じたわけではないのですが、試しに撮ってみたノートPC。ゲームを稼働していたこともあって凄く熱くなっていました。ファンや排気口のホコリ掃除も必要かもしれません。
発熱?冷え性?体温も目安として
あくまで計測機器。認定を受けた医療機器ではないので体温の測定目的としては使用できません。目安としてしか使えませんが、妙に熱い寒いという場合の次の行動の判定には頼れるんじゃないかと思っています。
例えばやたらと頭や背中等、一部だけ熱いということ、ありませんでしょうか。
特にお子さん。自由に動けて着替えられる年齢ならともかく、そうでない乳幼児では着込みすぎて暑がっていることも多々あります。
我が家もそうでした。寒かろうと思っておくるみ増やしたのが逆効果で、とか。
とりあえず愛犬にて。顔だけ熱いようです。言い換えれば毛皮ってめっちゃ断熱効果あるんですね。
逆に強く冷えを感じるとか。冷え性の場合ももちろん画像としてわかるようになります。
下はホットカーペットの上においた手。指先が19度です。
こんな感じにめっちゃ指先の冷えが見えます。あくまで参考としてですが、同時期に額と指先の温度を測って大きく差がある場合は冷え性として医療機関を受診したほうが良いのではないかなーと思います。
※体調管理については画像だけではなく、医療用の体温計などを使って総合的に判断するようにしてくださいね。
ナーフでプレデターごっこもできるぞ
遊びの分野でも使えるかというと微妙ですが、体温を映像化するので暗闇に潜む「敵」の姿が見えます。
なんだかよくわかんない画像ですけれども、布団に隠れた子どもです。部屋は真っ暗ですが、その場所がまるわかりですね。
まさにサーマルスコープ。また体温の残りもわかるので「少し前までいた痕跡」もぼんやりですが辿ることができます。画像で言えば上のやや高温の部分。
さすがに足跡までは無理ですけれども。座っていた場所くらいなら意外とわかったり。
ただまぁ、ナーフ本体にマウントするのはなかなか大変なのでハンドガンを構えつつサーマルカメラで捜索……みたいな感じになるんでしょうか。
※そんなガチ夜戦するシチュエーションがあるかは別として
夏の自由研究に
これも大事。特に近年は熱中症予防がクローズアップされていますよね。サーモグラフィを使うことでどうやったら涼しくなるのかが画像として、非常に理解しやすく見ることができるようになります。
例えば帽子をかぶることでどう温度が変わるのか。何色がいいのか……とか。
非接触温度計であれこれやっていましたが、結構わかりにくいんですよね……。今年はサーモグラフィを使うことになりそうです。
半導体の進歩?増産効果?コロナ禍の跡?で低価格に
コロナウィルスによる影響でサーモグラフィは大量増産されました。
あちこちでサーモグラフィや非接触型の体温計が設置されたのは皆さん覚えていらっしゃるはずです。
今はもう感染の流行は落ち着いていて、
おそらく次にはここまでのパンデミックが起きることは無いかとは思います。
需要上による増産と、パンデミック後の在庫のだぶつき。これらによってかつて高額だったサーモグラフィはどんどん値下がり傾向にあります。円安なのであんまり恩恵無いかもですが。まさに買い時?
玩具としてだけでなく、いろいろ楽しめるサーモグラフィ。常用するようなものではありませんけれども、何かと便利ですので一つ持っておいても損ではないんじゃないかなーとか思います。
選ぶときのポイント
専門では無いのであくまで参考意見として、ですが。
基本的に解像度が高いほどお値段も高額となります。例えば私が持ってるのは33ドット。これで約2万円。これが64とか128ドットになると3万円とか5万円を超えてきます。場合によっては10万円超えます。
業務として、たとえば整備やインフラ的な仕事を行うのであれば高解像度で高精度なものが必要になるでしょうけれども、一般に家庭内で使う分には安価なもので十分です。
ただ一つ。可視光カメラは必須です。数千円くらいで売られてるようなものだとサーモカメラしかなかったりします。あとドット数が8×8とか。これだと何映ってるか分かりません。
せめて24~33ドットくらいで、可視光カメラがあると重ね合わせて表示してくれますので、非常に使いやすくなります。
あとスマホに接続するタイプもあります。こちらはお好みで良いんじゃないでしょうか。私は単体で完結する方がいいのでハンディタイプを選びましたけれども。