1970年 NERFの誕生
今は世界的なエアダーツガンのブランドであるナーフですが、その始まりは1969年に発売された軽量・安全なスポンジボールでした。「屋内で遊んでもガラスが割れない」というコピーを取り入れたことで有名です。
品質の良さからナーフボールは瞬く間に評判を呼び、「屋内遊戯用」として広く認知されるようになりました。
今の屋内で遊べるというナーフのコンセプトはこの頃から始まったのではないかと思っています。
この頃はまだスポーツ玩具がメインでしたが、一方でボールを撃ちだすナーフの原型のようなオモチャも販売されていました。
1990~2002年、エアソフトダーツガンの誕生
1991年、ハズブロは玩具メーカーであるケナー社、2002年にはスーパーソーカーのララミ社を買収しナーフのラインナップに加えました。
同時に進化の大爆発の時期と言いますか、非常に多岐にわたる商品が販売されたのもこの時期です。使用する弾も今のような円筒形だけでなく、スポンジボールやミサイルと呼ばれる大きな専用ロケットがあったり、発射機構もスプリングや圧縮空気、手動フライホイールなど多種多様でした。
現在のスポンジダーツを発射するナーフの原型。この成功により現在のソフトダーツガンであるナーフが存在すると言っても過言ではないかも。
スポンジボールを発射するナーフ。現在とは全く異なる物です。
今では考えられないほどの強い威力を持つものがあったりします。有名なタイタンは至近距離で撃たれれば青アザを作るほど、下手すればテレビやガラスを割るくらいの威力を有しています。
そういった意味では黎明期特有の「何でもあり感」がみてとれる、とても面白い時期なのではないでしょうか。
2003年、Nストライクの誕生
2003年、ハズブロはNストライクシリーズを発売します。皆さんおなじみの黄色いナーフの誕生ですね。
すでに発売されていたユニティパワーシステムの”組み合わせ遊び”を発展したカスタマイズができるよう設計されており、アクセサリレールやストック・バレルアタッチメントといった多数の拡張性が盛り込まれています。どれもが今に至るまで同一の規格で設計されていますので、例えば最新のモジュラスのアクセサリもこの黄色いNストライク製品へ取り付けることも可能ですし、その逆も可能です。
小さい本体に複数のパーツを組み替えるという遊びの原点になったのはこのリーコンでしょう。発射機構は本体だけで完結していますのでアクセサリ類はあくまでオマケですが…
この「組み合わせ遊び」のスピリットは今も受け継がれており、最新のモジュラスでは数万通りの組み合わせができるとされています。
Nストライク以降は外見も従来のような子供のオモチャらしいものではなく、スポーツシューティングや実銃らしさを匂わすデザインコンセプトとなりました。「子供っぽい玩具」から「格好いいブラスター」への方向転換は成功し、購買層が一気に拡大したと言われています。
これらのナーフを使った対戦、いわゆる「ナーフウォーズ」も一層盛んとなりました。対戦をメインとした「ダートタグ」シリーズや、赤外線式の「レーザータグ」シリーズも登場しました。公式大会も開催されるなど大きな盛り上がりを見せました。
この頃からSNSの普及に伴って簡単に自分のナーフを簡単に公開できるようになったことで、自撮り用の小道具として、はたまたリペイントや改造を行って、または工夫を凝らした動画を撮ったりというような新しい楽しみ方もどんどんと生み出されています。
2012年 メインストリームはNストライクエリートへ
発売から8年経過しシリーズとしては円熟期に入ってきたNストライク。ハズブロはここで飛距離をアップしたエリートシリーズを投入することを決定します。
飛距離は最大30m近くにもなり、よりシューティングトイとしての味付けが強くなっていきます。同時に各国の玩具安全基準への適応のためにローカライズされたモデルも登場しました。いわゆる飛距離を落としたグレートリガーがこれに当たります。日本ではグレートリガー版が販売されており、パッケージ表記でも飛距離の数値が控えめになっています。
2013年~ ゾンビストライク、レベル、ドゥームランズ…シリーズ戦国時代へ
この頃、Nストライクエリート以外にもゾンビストライクやレベル等の一定の世界観に沿ったデザイン、ギミックを持つシリーズが登場しました。公式サイトでは各々の短編アニメやミニゲームが公開されるなど各シリーズの個性の特化に注力しています。
ゾンビ映画、スプラッター映画に出てきそうな禍々しいデザインの武器。ノコギリ先端は回転します。もちろん安全です。
ファンタジー世界?で出てきそうな設定の弓。緩やかな曲線のデザインが特徴的ですね。
小さい男の子の玩具というイメージであったナーフですが、女児向きの可愛らしいデザインのレベルや高威力で18歳以上用のライバル等の裾野を広げる商品も続々と登場しています。
更に迫力を欲しがる人のためにメガやライバルも登場しています。
ライバルはペイントガンをモチーフにした対戦主体のナーフです。いわゆる18歳以上用シリーズ。強いスプリングやモーターで撃ち出すために防護マスクやプロテクターは必須、屋内ではややオーバースペックなシロモノです。国内の販売は未定。
これ以外にもラインナップはどんどん増えて2015年には西部劇をモチーフにしたようなドゥームランズ、2016年には宇宙人が所持するSF風なエイリアンメナスという新しいシリーズも新しく登場しました。
一方でボルテックスやレーザータグは完全に廃止、レベルもサブシリーズのほとんどが整理されるなどシリーズごとに生き残りをかけた戦国時代を迎えているような気がします。年間を通して発売される種類も多く、従来のように「全て買い揃える」のはかなり厳しい状態になっています。
2017年アキュストライク販売開始
ユーザーのニーズが高かった精度に特化したナーフがも間もなく登場します。メディアの中では「革命的」とまで賞賛されており、ネット上でも持ち切りの話題となりました。
日本でもタカラトミーから販売されていましたので手頃な値段で買うことが出来ました。初期ロットは動作不良が多かったようですが…。
シリーズラインナップも拡充し、アルファホークより更に巨大なラプターストライク等も発売されました。電子制御トリガーのレギュレータといった先進的なシステムを取り入れたナーフも登場し、射撃玩具として大きな一歩を進んだ年と言えるのではないでしょうか。
2018年も怒涛のラインナップ
2018年はアキュストライク初のメガダーツを使うブラスターやマーベルコラボの派生として組み換え遊びができるアセンブルギアシリーズが登場する予定です。シリーズ廃止と思われていたボルテックスシリーズが、名前を新たにボルテックスVTXとして再販されることも決定しました。
ただ嬉しいニュースだけではありません。米トイザらスの破綻によりトイザらス独占販売のソニックアイス、ソニックファイア、エイリアンメナスといったナーフは今後の見通しは不明ですし、女児向けのレベルシリーズも新製品の情報はなく廃止の噂もあります。
日本国内に限っても4/1をもってタカラトミーの販売が終了し、ハズブロ・ジャパンによる取扱となりました。ラインナップも大幅に変わるようです。
2019年、ラインナップは恐ろしいことに
ナーフの展開はさらに加速しています。
ライバルからも高精度版の”エッジ”シリーズが登場。
いわゆる入門機?低価格のアルファストライクシリーズ。
またゲームとのコラボも増えてオーバーウォッチやフィートナイトのナーフも登場(予定含む)です。
従来シリーズからも、またカラーバリエーションもどんどんと出ますので今までのように「全部買う」はもう無理です。諦めました^^;
2019年。今年発売されるであろうたくさんのナーフ。あなたはどのナーフを選びますか?