【レビュー】排莢式 ドラグノフ
サイズ | 全長121cm | 発売年 | 2021年 |
初速 | 18m/s | 装填数 | 10×発 |
入手先 | アマゾンで買う | 対応弾 | 専用ダーツ |
排莢式 ドラグノフって?
今年に入ってから日本国内でも人気が高まっている排莢式のソフトダーツガン。
リアルな外観とポーン!と飛び出る空薬莢というギミックが銃好きな人の心に刺さりまして、しかもお値段は比較的に手頃(6,000円~1万円前後)というのもあってかなり売れている模様。
現在はショットガンだけではなく狙撃ライフルやレバーアクション式のビンテージライフル、さらには電動ガトリングガンさえもモデル化されています。
パッケージ
巨大な段ボールで届きました。ナーフやエアガンをよく買う方は慣れているとは思いますが、初めて買う人は驚くサイズ。組み立て家具が入ってるんじゃないかと思うくらい。国際発送のため外箱はベコベコでしたが、中箱は綺麗な状態でした。
中はスポンジで仕切られてしっかりした梱包。細かいパーツがあちこち外れて飛んでますが、そこは仕方ありませんね。
使用前にはストック部分を取り付ける必要があります。ビニールの小袋の中にはネジが多数。プラスドライバーも付属するという親切さです。
ただ付属するネジがサイズ違いで10個くらいありまして、どこに使うんだろ……
(説明書には記載なし)
色合いやデザインについて
外観はまさにSVDドラグノフそのもの。
デザイン的には実銃をそのままトイガンにしたものとなります。ですので外観もリアル志向。
リアルカラーという理由もありますが、いつも紹介しているナーフやソフトダーツガンとは全く異なる雰囲気ですよね。
残念ながら私は実銃はもちろん、SVDのエアガンは触ったことがないので比較はできませんけれども、画像で比べた感じでは各部のサイズも実際のドラグノフと同じくらい、デフォルメされていないように思えます。
★こちらはエアガンモデル。比較用に提示。
本体は樹脂製
本体は硬質で中身の詰まった樹脂製。
触った時のひんやりした感じが金属と錯覚しそうになります。
金属製のセーフティレバーは可動。もちろんセーフティレバーとしてトリガーを固定してくれます。
見切れていますがもう一つ後ろにあるレバーはボルト上のカバーを外すためのもの。
カバーを外してみました。容易に機関部へアクセス可能です。バネは後部の部品(ネジ止めされている)を緩めれば簡単に交換できそう。
シリンダーとピストン部分。樹脂製ですのでスプリング強化は怖い気がします。白いグリスがたっぷりと漏れるくらいに塗られています。拭き取っておいてもいいかも。
重量感のあるストック
ストックやハンドガードは樹脂製ですが、中身がずっしり詰まった一体成型タイプですので結構な重量があります。パッと見た感じは木製に見えるくらい。
いわゆる玩具系トイガンのような左右パーツを張り合わせた中空のモナカ構造ではないので非常にガッシリしています。
さらにチークパットも付いています。もちろん取り外しできます。本皮製というのも特徴らしいですが実際のところは不明。
縫製は結構雑だったりします。あと固定しづらいのでいっそ外してしまっても良いかも。
ハンドガードも同様にずっしりした木目風樹脂。
フェイクウッドではありますが、すべすべした手触りと質感で本物の木製?と思えそうなくらい。
気をつける部分は本体とストックの接続部。
ツメを引っ掛けてネジで固定するというタイプなんですが、その固定ネジが小さい上に2本しかないんですね。力が良く掛かる部分ですのでちょっと怖いところかも。大事に扱ったほうが良いです。
スコープはオマケ
付属するスコープは側面部のレールに取り付けるタイプ。
かなり大柄なアクセサリとなりますが、樹脂製のためかなり軽量。
なおこのスコープ、”レンズがない”んです。見た感じではなにか透明な板は入っているようなんですが……倍率がほぼ1倍であるのと、照準線が無いために”ただの筒”のよう。
調整機能もありませんのであくまでも見た目用のパーツということになります。あくまでもオマケ。これで狙いをつけるのは至難の業というか無理です。
とはいえ、取り付けた場合は格段に格好良くなります。見た目用のアクセサリとして割り切れば良いかも。
スコープのマウント部分はネジ止めではなく側面レールに固定する方式になります。
実銃に似た形状に見えますので、市販のAKマウントやドラグノフ用スコープが使えるかもしれません(要確認)。もしお持ちでしたら試して見る価値はあるかも。
カートリッジはプラ製
付属カートは10本。金属ではなく黒いプラ製。別売で金属製のものもあるようです。
実銃では7.62x54mmR弾を使いますがトイガンの方は黒いパイプ上のカートリッジとなっています。
お尻の部分にゴム製のOリングがハマっており、それにより気密を確保しているようですね。それ以外は特に変わった構造ではないため、3Dプリンターを使えば量産できそうな気もします。
他の排莢式ライフルと互換性があるかは不明。というか製造時期や販売業者によってバリエーションがあるので「〇〇と互換性あるよ!」と言い切れなかったりします。
マガジンには10本入るそうですが、かなりキツいので6本くらいに留めておいたほうが動作不良が少なくなります。
マガジンに薬莢を押し込んでいくのはトイガンではなかなか味わうことが出来ません。
金属製のカートリッジならもっと雰囲気が出るかも。
ダーツは特殊
使用するダーツは見た目はナーフ風ですが、直径はかなり小さめです。
サイズは9mm×40mm。ナーフのダーツが13mm×72mmですので全く規格が異なります。共用は厳しいところですね。6mm BB弾は何らかの方法で保持できれば発射はできそうです。まっすぐ飛ぶかは別にして。
このあたりのサイズやカートリッジの構造を考えると、中国で数年前より大ブームとなっていた(そして規制されたと噂の)吸水ビーズを使うトイガンを転用したのかな?とも思えます。
ビーズをカートリッジに入れて発射するタイプのトイガンがあったんですよね。いくつかラインナップがあって、その中にドラグノフは無かったと記憶していますが。
ちなみに手持ちの6mm BB弾を試しに装填してみましたが、全く固定出来ないので使えませんでした。
サイズについて
サイズは約120㎝。実銃もそれくらいの大きさですので実寸大ということになるんでしょうか。
ですので構えてボルトを引くのもかなり大変です。
重量は商品説明だと2.5kgもありまして、ナーフで慣れているとズッシリした重量感が新鮮に感じます。
そしてストックを肩につけてしっかりと構えることが出来るサイズです。さすがリアルサイズ。
その分だけチャージハンドルが遠いので構えたままでは右腕が届きにくいというデメリットも。
ロシア兵の体格なら余裕なのかーと思いましたが、よく考えたら実銃はセミオートですもんね。1発ずつ操作する必要はないわけで。
操作方法など
操作は簡単でして、マガジンにカートリッジを入れて本体に装填、チャージハンドルを引いて戻したらトリガーを引くだけ。
排莢式ドラグノフのトイガン。これは楽しい。
でもやはり金属製、もしくは金色プラのカートリッジが欲しくなりますね。3Dプリンター買って自作か……#ソフトダーツガン #ドラグノフ #ライブカート pic.twitter.com/IwZQhZHOYQ
— ナーフマーケット (@KdwkVayashis11) December 28, 2021
チャージハンドルは途中で止めず、しっかりと引くようにしましょう。中途半端だと排莢不良となります。
気をつけるべきところはマガジンを抜いても薬室内にダーツとカートリッジが残る部分でしょうか。暴発の危険もありますし、地面に向けて空撃ちしておくと安全です。
スペックなど詳細
初速:18m/s 飛距離 7~10 m
勢いよく飛んでいるように見えますが初速は18m/sくらいと控えめ。
より大きなダーツを20~30m/sで飛ばすナーフの方がハイパワーということになります。
試射
弾道は比較的まっすぐ。7mくらいの距離ではそこそこ当てられるかな?という感じ。
今回はあえてダーツつまりの動画を使いました。
後半ではダーツが詰まったというか不発となっています。構造的な問題なのか、カートリッジの気密が悪いのか、それともダーツの滑りが悪いのかは分かりませんが改めて調整していく記事にしたいと思っています。
排莢動作は最高に良い
不発は多いものの、空薬莢が飛び出すギミックは快調そのもの。
小気味よく回転しながら真横に飛んでくれます。ついついニヤニヤするところですね。
黒一色ではなく金色風のプラスチックなら良かったのになーなんて思ってしまいます。排莢不良は今のところは少ないですが、カートリッジが削れたり変形してくればそこは撃ち味が変わるかも。
実際のドラグノフは残弾が無くなるとチャージハンドルが後退位置でストップしますが、排莢式トイガンの方はさすがにそのギミックは無し。手動コッキング式ですしね。
対応ダーツ
専用ダーツになります。
私が購入した2021年12月時点では安定供給してくれそうな販売ショップはまだ見つけきれていません。
また、ナーフ関係では互換性がありそうなものは無し。
構造自体は単純なので8mmのBB弾の流用や、スポンジを切って自作できないかな?とは考えています。
入手方法
アマゾンで入手可能。中国からの発送となるので配送には2週間以上かかります。
総評:質感は良いし排莢も楽しい、でも……
なんと言っても排莢するドラグノフという貴重さでしょうか。
しかもリアル志向で実銃に準拠した外観。デフォルメなしのフルスケールとなればドラグノフが好きな方にとっては手を伸ばしたくなる魅力(とくか魔力)があるはずです。
スケール的にも構えてサマになる大きさです。構えたりチャージハンドルをガチャガチャして遊んだりと楽しむことができます。
品質的なアラはあるものの、ボルトを引くと飛び出る空薬莢というギミックは非常に楽しいものです。撃ったあとに床に落ちる音が良いんですよね。
金属カートリッジが欲しくなります。
ソフトダーツガン…?
ただし、当サイト(ナーフマーケット)が普段扱っているソフトダーツガンというカテゴリーとはかなり離れた製品であることは確かです。
例えばナーフのように室内で気軽に遊べるものではありません。
120cmという全長とそこそこの重量(約2.5kg)、あと実銃らしい細身のデサインというのもありまして、丁寧に扱いませんと銃身やストックの付け根がポッキリと折れてしまいそうです。
例えばナーフのスナイパーライフルはこんな感じに銃身も太く、ぶつけたり落としたりしても折れるようなものではありません。
ドラグノフは実銃に準拠したスケールですので、ストックとチャージハンドルの位置、バネの固さも含めて子供が遊ぶのはかなり厳しいです。対象年齢14歳以上とはいえ、筋力や体格次第で扱えない可能性もあります。
そして何よりもダーツが特殊で供給がまだ不安定という大きな弱点もあり、ナーフ戦で使うのはちょっと厳しいものがあります。
排莢ギミックがメイン。ダーツ発射はオマケで
むしろダーツの発射はオマケと考えて室内シューティングや排莢ギミックを楽しむためのものなのかも。
見た目はやはりドラグノフそのものでかなり格好良く、飾りとしても良さそう。ときどき取り上げて部屋撃ちと排莢ギミックを楽しむというものになりますでしょうか。
まさに大人向けのトイガンですね、これは。